劇場版「進撃の巨人 [前編] ―紅蓮の弓矢―」

SPECIAL スペシャル

SCREENX & 4DX & ULTRA 4DX上映記念
キャストインタビュー

梶裕貴(エレン・イェーガー役)

―12年前に劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜が初めて公開された際、パンフレットでのインタビューでの、「エレンという人物の魅力は?」の質問に対して、「一貫して自分の中の正義を貫く姿勢、それに相容れない“彼にとっての悪”に対する怒りや憎しみ、その抗う姿というのがとても印象的です」と回答されていました。
その後、12年間エレンと向き合う中で、ご自身の中で印象は変わりましたか?

当時は、まだ物語の半分も把握していない段階だったかと思うので、完結を迎えた現時点での解釈とは比較にならないかと思います。本作以降で明らかになっていった真実こそが作品の、そしてエレン・イェーガーという人間の本質なのでしょうから。とはいえ、12年前に回答したその要素も、彼の一部であることに間違いありません。誰よりもバカで、誰よりも人間臭い、普通の異常者です。彼は、誰の中にも存在しています。

―劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜では、エレンが味わう絶望から反撃を誓う描写など、“すべての始まり”が描かれています。結末を見届けたうえで劇場に足を運ぶファンの方に向けて、改めて注目してほしい場面などはございますか?また梶さん的に思い入れのあるシーンをお聞かせください。

すべての物語を辿りきった今、エンタメ作品としての伏線回収や考察の答え合わせとして、ファン目線で本作をおさらいするのも、また一興なのかなと。「この時、画面外のこのあたりにエレンが…」などと考えながら(笑)。思い入れのあるシーンは、終盤の「戦え」連呼の場面でしょうか。今でもアフレコ時の記憶が鮮明に思い出されますし、何度も観ても血沸き肉踊ります。以降も、重要な場面で度々登場する「戦え」のセリフですからね。やはり印象深いです。

―劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜の主題歌はLinked Horizon『紅蓮の座標』です。楽曲に対してどのような印象をお持ちですか?また、劇場ならではの音響で味わう『進撃の巨人』の良さについてもお聞かせください。

楽曲そのものが、まさに『進撃の巨人』の世界を物語っているかのようですよね。勇ましさの中に、喪失の痛みや、それでも自由を求めずにはいられない切実さと覚悟を感じます。歌詞においても『紅蓮の弓矢』の、その向こう側を丁寧に描いた内容に、一言一言、心震わされます。Revoさんの作品に対する深い理解と愛情には、尊敬の念しかありません。澤野弘之さんの劇伴や音響効果もふくめ、映画館の豪華設備だからこそ感じられる作品体験を、思う存分お楽しみください。

―これまで『進撃の巨人』に触れてこなかった方に、今このタイミングで作品の面白さを伝えるのであれば、どのようなポイントを推しますか?

なにより「まだ触れていない」という事実を心から羨ましく思います。だって、ここから『進撃の巨人』のすべてを新鮮に楽しめるのだから!(笑) そのくらい期待していただいて構わない作品かと思います。
"正義とは何か?悪とは何か?"
本作に触れることで、言葉や文化など、あらゆる壁や海を越え、すべての人間が生きる上で向き合うべき問いに、あらためて直面することになるでしょう。きっと自分を、他者を、社会を、世界を見直すきっかけになるのではないかと。……なんて大げさに言いましたが、まずは難しく考えず、頭からっぽでご覧ください! ド派手で衝撃的な展開の連続にワクワクドキドキすること間違いありません。完結している今、焦らされることは一切ありませんので(笑)、ご自身のペースで心ゆくまでご堪能ください!

石川由依(ミカサ・アッカーマン役)

―12年前に劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜が初めて公開された際、パンフレットでのインタビューでの、「ミカサという人物の魅力は?」の質問に対して、「弱い部分も逆に魅力的だなと思う」と回答されていました。
その後、12年間ミカサと向き合う中で、ご自身の中で印象は変わりましたか?

最後まで演じて思うのは、ミカサが強くいられたのは、エレンという道標があったから。エレンを守るために、エレンと共に生きるために、ミカサは強くなりました。例えエレンを失ったとしても、ミカサはエレンを忘れないために、強く生き抜いていくでしょう。本当は弱いはずなのに、大切な人のために強くあり続ける姿はカッコいいですし、その一途さはとても素敵だと思います。

―劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜では、エレンが味わう絶望から反撃を誓う描写など、“すべての始まり”が描かれています。結末を見届けたうえで劇場に足を運ぶファンの方に向けて、改めて注目してほしい場面などはございますか?

改めて見てみると、最初から本当にたくさんの伏線があったのだなと驚かされます。当時は何気なく聞いていたセリフが、実はのちに繋がる大事な伏線だったりするので、何が(誰が)どこにどう繋がるのかを考えながら見ると、更に深く楽しめると思います。諫山先生や荒木監督が、どこまで先のことを見据えて作っていたのか…そこを考えながら見るのも面白いです。

―石川さん的に思い入れのあるシーンや、今だからこそ語れる当時の収録エピソード、キャスト間やスタッフさんとの裏話などがありましたらお聞かせください。

当時はとにかく必死で、アフレコのことは正直あまり覚えていません。まだ声優としての経験も少なく、人見知りだった私は、ほとんど誰とも話していなかったような気がします。でも梶さんや井上さんをはじめ、皆さん本当に優しくて…お芝居でもそれ以外でも、ずっと引っ張ってもらっていました。最近では私も先輩であることが多くなりましたが、「進撃」の現場では、ついつい甘えたくなってしまいます。

―これまで『進撃の巨人』に触れてこなかった方に、今このタイミングで作品の面白さを伝えるのであれば、どのようなポイントを推しますか?

『進撃の巨人』は全てのセクションの人たちがお互いに高め合い、魂を削って最大限の力を発揮している作品だと思うので、一つには絞れません。なのでここまで来たら、「何も見ず何も聞かずに、真っ白のままで体感しろ!!」と言いたいです。私も記憶を消して見直したい…!ぜひ初めてを劇場で味わえる贅沢を噛み締めてください。きっと人生を揺るがすほどの衝撃や熱量を受け取っていただけると思います。

井上麻里奈(アルミン・アルレルト役)

―12年前に劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜が初めて公開された際、パンフレットでのインタビューで、アルミンの役作りについて「彼なりの男らしい部分を忘れずに、でもなるべく情けなく見えるようにしたいし、それが人間らしい部分なのかなと皆さんに思ってもらえたら嬉しい」と回答されていました。
その後、12年間でアルミンとの向き合い方は変わりましたか?

多少変わったと思います。
アルミンはとても勇敢な人間だと思います。
何よりも最善や解決を想うあまり、ある種人間らしさを捨てなければならない事も多々ありました。
そういった彼の勇敢さは、今考えるとそれこそ人間離れしていた様にも感じています。

―劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜では、エレンが味わう絶望から反撃を誓う描写など、“すべての始まり”が描かれています。結末を見届けたうえで劇場に足を運ぶファンの方に向けて、改めて注目してほしい場面などはございますか?また井上さん的に思い入れのあるシーンをお聞かせください。

振り返ってみると、この時の調査兵団は未来を信じて前に突き進めていた気がします。
生と死の狭間にいつつも、それでも叶えたい夢や未来は失っていなかったと思います。
最終章付近とは違う、彼らが持つ生命力を改めて感じて欲しいなと思います。
思い入れのあるシーンとしては、やはり戦術価値を説く場面でしょうか。
自身の声優人生において、間違いなく自分の全力以上の限界を超えて芝居をしたシーンです。もう2度と演じたくないです(笑)。

―井上さんはナレーションも担当されています。アルミンを演じる際とどのようにアプローチを変えられていましたか。

当初決まっていなかったナレーションは、荒木監督がアルミンにと授けて下さったそうです。
イメージとしては闘いが終わって何十年も経った後、本か何かに書き記した当時の事を振り返るような、俯瞰的な感覚で演じて欲しいと演技指示を音響監督の三間さんからご指導頂きました。
どうしてもアルミンの台詞前後になると、リアルタイムのアルミンの気持ちがナレーションに乗ってしまいそうになるので、なんとか第三者になろうと感情を押し殺しながら毎回演じていた記憶があります。

―これまで『進撃の巨人』に触れてこなかった方に、今このタイミングで作品の面白さを伝えるのであれば、どのようなポイントを推しますか?

ぜっっっっっっったいに人生を変える作品になるから!究極の絶望と命の尊さを味わって!!!!(ただ本当に擦り減るから心が元気な時に観てネ⭐︎)と伝えます。

細谷佳正(ライナー・ブラウン役)

―『進撃の巨人』全体を通して、改めて注目してほしい場面などはございますか?

エレンが『この裏切り者が』というセリフを叫ぶ場面です。物語の始まりから仲間への"信頼"が純真さと共に積み上がっていく様子が、結末を知っているからこそ残酷に感じる方も出てくると思うので、意識して観劇して頂いて、後の続編の内容をより濃く感じて頂けたらと思います。

―細谷さん的に思い入れのあるシーンや、今だからこそ語れる当時の収録エピソード、キャスト間やスタッフさんとの裏話などがありましたらお聞かせください。

今だからこそ語れる当時の収録エピソードは、
あるシーンに関するインタビューで『サイゼリヤで友達に喋ってる感じで』という指示を出した、というのが当時少し話題になっていた様なのですが。
実際は、私はそういう内容の指示は受けておりませんし、聞いてもおりません(笑)。実際には音響監督の方に指示を出されたのかもしれませんが、面白いことを仰る方だな、と思って当時その記事を読んでいました(笑)。

―劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜でのライナーは、まだ正体を明かされていません。この頃のライナーとは、どのように向き合っていましたか?

他人から、自分が殊更に立派で真面目な印象で見られる様に、言葉を吐くキャラクターだと感じていました。
辛気臭さと説教臭さがあって、大柄なのか普通なのかよくわからない時もありました。
眉毛が細くて特徴的なところが印象深かったです。

―これまで『進撃の巨人』に触れてこなかった方に、今このタイミングで作品の面白さを伝えるのであれば、どのようなポイントを推しますか?

これまで『進撃の巨人』に触れてこなかった方に、今このタイミングで作品の面白さを伝えるのであれば、テレビシリーズSeason1をひとつに繋げて、ディレクターズカットして、前編と後編に分けて、劇場版として映画館で公開します(笑)。流石です!!!

橋詰知久(ベルトルト・フーバー役)

―劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜では、エレンが味わう絶望から反撃を誓う描写など、“すべての始まり”が描かれています。結末を見届けたうえで劇場に足を運ぶファンの方に向けて、改めて注目してほしい場面などはございますか?

エレンの全てを見てきた上での選択。
過去への干渉と言う点で考えるとウォール・マリアの壁を超大型巨人が破壊したシーン。
ベルトルト側の視点でもそこで何があったかを考えるとより胸が苦しくなります。何を被害者ぶって。と思うかもしれません。
ただ、ベルトルト自身はそんな事になっていたなんて感じる事は未来永劫なく、進撃の世界から旅立ってしまいました。
そもそものその時、彼は戦士としての使命を全うする事に全神経を注いでいたと思います。
勿論、その頃はまだ訓練兵にもなっていなかったですし、エレン達とも出会わなかった上でのパラディ島と言う敵地への侵入、始祖の巨人の力の奪還。
まだ悪魔の末裔と言う認識でしかいなかった頃から始まります。
エレンの物語を最後まで観測した今でこそ、それぞれの人物がどのような心境でその物語の上で生きていたのか、最後まで見届けた皆さんにはきっと想像出来ると思います。

―橋詰さん的に思い入れのあるシーンや、今だからこそ語れる当時の収録エピソード、キャスト間やスタッフさんとの裏話などがありましたらお聞かせください。

劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜までのお話で語れる事ですと、「サシャとコニーだ!」のセリフを原作漫画ではマルコのセリフだったものをあてて頂くほど喋っておりません。
画としてはライナーと共に居るのですがその頃のお話ですと漫画の隅々まで読んで出番どこかな?いつ話せるかな?と探していたほどですね。

―劇場版『進撃の巨人』前編〜紅蓮の弓矢〜でのベルトルトは、まだ正体を明かされていません。この頃のベルトルトを演じるうえで、意識されていたことはありますか?

ベルトルトの初めてのセリフ第3話「僕とライナーはウォール・マリア南東の山奥の村出身なんだ……」の収録前日、リアルタイムで別冊マガジンを読んでいてベルトルトの正体を知りました。え?このセリフはどう言う気持ちで喋れば良いのだろう。と頭の中がパニックになり真冬の夜中に外を走り回り気持ちを鎮めると言う状態で次の日の朝、収録を迎えました。

―これまで『進撃の巨人』に触れてこなかった方に、今このタイミングで作品の面白さを伝えるのであれば、どのようなポイントを推しますか?

おそらく真っさらな状態で観る方は稀な位、端々のネタバレはどこかで見ているかと思います。
でも断片的な情報では処理出来ない程濃密な作品体験を得る事が出来る事は保証出来ますし、頭の中も心もぐちゃぐちゃになると思います。
映像自体も今から10年以上前でTVシリーズで2クールやっていたものなんて誰が信じるでしょう。改めて観ても立体機動装置のシーンの再現は発明レベルで凄いって思いました。
そしてこの絶望は全て序章に過ぎないと言う怖さがあります。